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by @endotaishi_
4/20論文
Antarctic shelf ocean warming and sea ice melt affected by projected El Niño changes
68min
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Natureの論文
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南極周辺(南緯約60度)の温暖化は、棚氷や海氷の融解に影響を及ぼす。
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エルニーニョの変動性の増加が南極海域の温暖化を増加し、棚氷や氷床の融解を加速させる一方で、海氷の減少は遅れさせることが示唆された。
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南極周辺では、海面深度200mあたりの水温が表層よりも暖かい。
- 中緯度帯では見られない特徴。
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極循環が表層の流れを分散させて、水を下から引き上げる。
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上昇した水は赤道方向か極方向へと分岐する。
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赤道方向へ分岐した水は、大気によって加熱されて中緯度で海洋内部へと沈み込む。
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極方向へ分岐した水は、大気へと熱を放出して、海氷を形成する。
- 熱を放出する際、沿海や表層海水を暖める。
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CMIP6に参加した31の気候モデルを利用し、2014年までのhistoricalとSSP8.5のシナリオを調査した。
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20Cと21Cの差を、マルチモデル平均の変化として捉えた。
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エルニーニョの時期には、ハドレー循環、フェレル循環、極循環が赤道方向へと収縮することで、高緯度地域(極地に近い)で東風が強くなる。
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ラニーニャ現象の時は逆になる。大気大循環が通常より広がることで西風が強まる。
- ENSOは、南極海域の温暖化にもつながっている。
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21世紀のENSOの強化は、南極海域のshelf oceanの温暖化を加速させ、棚氷や氷床の融解を進める。
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一方で、表層水温の温暖化を遅めることで海氷の現象も遅める。
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エルニーニョの変動性の増加にともなう大気大循環への影響が南極海域の水循環にも影響を及ぼすことから、気候の極端現象のみならず、海氷や棚氷、氷床の変化にまで影響を及ぼす